　入学当初より、私は「勉強以外で4年間打ち込めるもの」を探し求めていました。

　4月はサークルの勧誘活動が真っ盛り。帰宅途中にはたくさんの勧誘チラシをもらいましたが、それらは、何か自分に惹きつけるものがありませんでした。そんな中、北門付近を歩いていると、大きな声を出して体操をする集団に遭遇しました。そして、その横にはプールらしきものを見つけました。

「あれ？プールだ。ということは、この集団は水泳部かなあ？」

その集団を凝視していた私に、ある方から水泳部の勧誘チラシを頂きました。

「よかったら、入部してみない？」

　帰宅後、初めて頂いた水泳部勧誘のチラシをじっと見つめていました。

「以前から水泳をしていたけど、どうしようかなあ･･･」

　と思いながら、チラシにある連絡先へ勇気を振り絞って電話しました。先輩に自分の思う気持ちを伝え、そして先輩から発せられる、水泳部の魅力を一つ一つ聞いていくうちに、入部への気持ちが高まってきました。

　電話の翌日。放課後、真っ先にプールへ向かい、シーズンに向けての陸上トレーニングを見学させてもらいました。声を大きく出し、励ましあい、一丸となって練習している先輩方を見て、自分の水泳部に対する思いが一層強まりました。

　そして入学当初から探し続けていた、「4年間打ち込めるもの」をやっと見つけたという喜びも感じた瞬間でした。

　水泳部の4年間は濃密なものとなりました。

　苦しい練習に耐えたこと、試合後の美酒をみんなで酌み交わしたこと、時には不本意な成績で悔し涙を流したこと、意見が衝突し怒鳴りあったこと、幹部学年として水泳部の目指すべき像をみんなで語り合ったこと、「もう、逃げ出したい、辞めたい」と思った時も水泳部の仲間が親身になって支えてくれたこと。

　たくさんの思い出がありすぎて、この場では言い尽くせませんが、この濃密な時間が「勉強以外で4年間打ち込めるもの」という存在の水泳部を、次第に「大学4年間で一番打ち込んだもの」へ変化したことは言うまでもありません。

　最後に、千葉大学体育会水泳部創立50周年を、水泳部好きな皆様と共にお祝いすることができたことを大変嬉しく思うと同時に、自分を精神面でも成長させて頂いたことに感謝したいと思います。

　今後も陰ながらではありますが、千葉大体育会水泳部を支えていきたいと思っています。